先日、それこそ10年来で原宿の裏通りを歩いてみた。
神宮前の方面に抜ける裏道は、僕の記憶では─詰まらないといったら語弊があるので、あえて特徴がないと表現すると─原宿の表通りとはおよそ隔たりの在る閑静な住宅街だったと憶えている。
それが先日散策してみたら、次々とこじんまりしたショップが増えているのである。さすがに驚いた。
街自身が増殖するという現象は大小のスパンで目撃される現象であるが、まさか自分が目撃者になろうとは思わなかった。
竹やぶに囲まれた雰囲気のあるお好み焼き屋や、ツリーハウスのカフェ、そしてLotusをイメージしたオリジナルジュエリーの店など、ちょっと歩いただけで貴重な発見があった。
くだんのジュエリーショップは店名を失念したのが残念だ。60年代ヒッピーの生き残りのようなおじさんが構えている店であったので、かなりそそられる。
住宅と住宅の僅かな隙間に存在する板張りのカフェなんてのは、街が増殖する過程とともに増えて欲しいものである。