・ソレイユ(中納良恵 : TOYSFACTORY 2007)
エゴラッピン(Ego-Wrappin')でボーカルを務めている中納良恵の待望のソロアルバムがこの「ソレイユ」である。ちょくちょく噂になりつつも、ソロアルバムについてはまだ実現していなかったので、待ち続けていたファンは嬉しいに違いない。
一方、エゴラッピンというバンドの<中納良恵>が彼女そのものというファンは複雑な心境だろうか。僕はアルバム発表の直後、後者寄りの心境であった。
退廃的でありながらとことん官能まっしぐらに突き進む稀有な歌声で、あらゆるジャンルの音楽ファンを魅了した彼女の歌声は、エゴラッピンというバンドの場合では、ドロドロしつつも攻撃的であり、聴いている側の鼓動が早まる。
それこそが<中納良恵>なのだろうと考えていた。
ソロアルバムを聴いて、まず気がついたのは、彼女は生まれながらの天才的なボーカリストであるということだった。
エゴラッピンとは正反対な穏やかで暖かい歌声。しっとりと歌い上げる中納良恵の幅広い音楽性が本領発揮している。
柔らかい気持ちになることのできる珠玉の一枚。