あえて現実社会と仮想社会を、アナログとデジタルに区別して進めると、アナログ店舗のマーケティングには非常に色濃く<商圏>というものが重要視されるんだと思うようになってきた。
<商圏>というのは、平たく言うと、ある店舗を出店するときに、その店舗を中心点とした影響のある地理的環境である。商圏の性格によって、料金・雰囲気・店員など同スペックで出店したとしても、高円寺だったらピンとくるのに、吉祥寺だったら何だか閑古鳥みたいな状況が発生する。
オーナーにしてみれば、まさに死活問題である。
商圏分析で最もポピュラーで王道なのが、通行量調査だそうだ。ときどきグッドでウイルなバイト先から派遣された若者が、パイプ椅子に座ってカウンターをカチャカチャ鳴らして計測しているアレである。彼らは、これから出店されるだろうお店が必要とする店舗手前の通行傾向や駅の流入を計測しているのである。
年齢別・性別・職種別と多岐に渡り分類されて通行量は割り出される。その通行量の何パーセントが見込客として取り込むことができるかがキーワードだったりする。また取り込むべき対策が明確になるので、方向性を見出しやすい。
こんなことは僕がどうこういうのではなく、マーケティング会社がすでに指摘しているのだが、競合店の存在や宣伝効果による顧客を加味するまでもなく、<商圏>における通行量を分析するとき、その母数(つまりは総数)が大きくなくては話しにならない。
店を出してから軌道修正するとかではなく、原理原則にまで立ち戻ると、そういうところをおろそかにしてはいけないんだと思う。
プレゼンをしているとしばし「そもそも論」が登場するように、そもそもそんなところにお店を出すんじゃなかったっていう店が潰れちゃったりする。
去年の夏ぐらいに、こんな場所でおむすび屋さんを!?という無謀な出店がR246沿いにあった。
おにぎりは150円。道路に面しているので、家賃は35万超え(推測)。おむすびを何個売らないと元が取れるのか計算するまでもなく、ふと気がつくと2ヶ月弱で撤退していた。
何というか、ここまで達するとバクチみたいな世界である。