2008年02月07日

名脇役

予備校時代の友人K-B君は、外食する時に高頻度で焼肉を食べるというし、実際にK-B君と遊ぶ時には焼肉屋を訪れるケースが多く、また彼が連れて行ってくれる店は食通だけあって、安い上にめちゃくちゃ旨い。一人焼肉もへっちゃらという彼ならではの厳選チョイスで毎回驚かされる。

僕は外食をするときは、旨い肉より旨い魚を探求したい傾向が20歳過ぎた頃からあるので(というのも、数年間は肉を食さない生活をしていた)、魚系のお店に足を運ぶ率が高い。

それでも半年に一度ぐらいのルーティンで<お肉モード>となったりして、自ら焼肉屋に行く。

肉の焼き方については一人につき一家言ある上に、店にもこだわりがあるようで、最終的には鉄板で焼くのが柔らかくて一番旨いという説と、やっぱり炭火で脂を落とす焼き方が理にかなっているんだよという説が、いまもなお入り乱れていて、どちらも座を譲らない。

個人的には見た目のワイルドさと野性味に惹かれて、炭火焼が一歩リードしている。真っ赤に轟々と炎をちらす炭火は、原始的な愉しみがあっていい。日常的な行動である<食事>に現われた太古を彷彿させる祝祭的装置は痺れる。

焼肉なので肉をジュウジュウと焼くのがメインテーマは言わずもがな、意外とハマるのがニンニクのホイル焼きである。

たっぷりとした香り豊かな胡麻油に、剥いたばかりのニンニクが丸ごと。アルミ皿に乗ったそれを弱火でじわりじわり暖めるのである。

あらかじめ塩を混ぜてもいいし、ほっこり焼きあがったあとでもいい。粗塩があればそれに越したことはない。

胡麻油が沸騰したあたりの、焦げ目が黄金色についたニンニクの滋味溢れる香ばしさは、秋にたわわと実る銀杏に通ずるとでも言おうか、濃厚なからすみの味わいに匹敵するとでも言おうか。

よく冷えた麦酒を片手に。

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投稿者 ko : 2008年02月07日 19:19 | トラックバック(0)
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