The ブルーハーツの歌には優しさが詰まっていると信じて疑わなかった10代(もちろん今も)、<青空>という歌の歌詞に涙しそうになったことがある。
「運転手さんそのバスに僕も乗っけてくれないか行き先ならどこでもいい こんなはずじゃなかっただろ?歴史が僕を問いつめる まぶしいほど青い空の真下で」という歌詞である。
人種問題に関する歌詞であることは言うまでもない。
先日、We can do!と声高々に叫んだ黒人は、アメリカ有史始まって以来の有色人種大統領となった。テレビで中継を見ていると、肌の色に関係なく支持をしていた有権者が喜びを顕わにしていたので、海の向こうの熱狂がダイレクトに伝わった。
黒人の有権者たちは感無量でかつ複雑な表情で、人種の壁を乗り越えた大統領を迎えた。47歳という若さも魅力の一つに違いない。
アメリカ近代史を学生時代に習ったことがあってもなくても、きっと名前なら耳にしたことがあるだろう人物にマーティン・ルーサー・キング・ジュニアがいる。キング牧師だ。アメリカの人種差別の歴史では必ず登場し、いまの<法的に人種差別のないアメリカ>の基礎に貢献したといっても過言ではない。
アメリカは100年以上前に奴隷解放宣言をしてアメリカ合衆国としての奴隷制度は廃止されたが、実のところそれから100年余りは白人と有色人種は公共の場で明確に区別されて、プールに一緒に入るなんてのは皆無に等しかった。
バック・トゥ・ザ・フューチャーでマーティがタイムマシンにて過去に戻ったとき、黒人のウェイターが働いていて、白人の店主に笑い混じりでちゃかされているが、その当時ですら当たり前だったのだ。それほど黒人は抑圧されていた。1964年に公民権法が制定されるまでは。
黒人解放運動は、ほんのつい最近のアメリカの歴史である。
さて、今回に大統領選では、1944年前後に生まれた黒人有権者もいる。彼ら彼女たちは1964年に20歳という年齢であり、2008年では64歳である。団塊の世代だ。
アメリカのこういった人種の壁を巻き込んだ歴史をずっと見続けた連中である。彼らは、オバマ大統領の時代をどう感じているのだろうか。
あの頃からたった40年余りで歴史が変わったと考えるだろうか、それとも40年掛かってようやく・・と捉えているのだろうか。
いずれにせよ公民権法が制定されてから40年後の出来事である。