2008年11月11日

カラオケは上々なのか

社会のシステムなんて糞食らえだ!と、四谷のシドビシャ夫はドブ板で小汚い野良犬のように野垂れ死ぬ運命を辿るはずだったのに、神様だか仏様だかジョニーロットン様だかの匙加減の手違いで、自分からスケープゴートする予定の社会システムにうっかりアサインしてしまい、往年振舞い続けていたのび太ライクな暇々生活の債務を清算すべく、毎日毎日を満員電車にゆらゆら揺られる人生を送っている。

会社は有り体に表現すれば戦場のような場所だけれど、ナレッジだのスキームだのタスクだの、果てはアクションプランなどという言葉を駆使して、パワポで資料を作成すれば幼稚園児にだって理解できちゃう上出来具合、プレゼンテーションをしようならばどんな難題だって有利に解決、発言をすればその会議に出席をしている誰よりも鋭く且つ理論的、湯水のように贅沢なまでに生み出されるアイデアはとことんオリジナルティ溢れる発想と、善良な読者の諸君ならきっと理解してくれると信じているが、はっきり言って自分の天才ぶりが恐ろしくなることもある。

同僚や後輩の熱い尊敬の眼差し、部長の安心しきった態度、派遣OL達の嬌声、どれもこれもがパーフェクトである。

しかし、そんな天才スーパーサラリーマンの私にも唯一のマイナススキルがあった。

本来ならそんなマイナス要素は伝えることすらもなく完全な姿をアピールするにとどまって幕を引くのがセオリーだが、ここはひとつ、あえて恥を忍んで私のマイナススキルを告白しようと思う。

私のマイナススキル、それは「カラオケ」である。

そう、どんな提案書だって30秒あれば作成しちゃう私なのに「カラオケ」が苦手なのだ。

いや、鬼門と言い表したって構わない。呑みの席だったら2次会だろうが3次会だろうが優しい私は地平線の果てまで付き合うのだけれど、「カラオケ行っちゃいますか?」という七三分けが酔いちくれモードで提案するアレが苦手なのだ。

千鳥足でカラオケ館に行き、曲をセットする。歌える歌は「サライ」ぐらいしかないので、毎度こんな歌を全力で熱唱してしまうと「金がねえのかな?」とか思われてしまう。

いや、だいたいカラオケで一人サライはいくらなんでも無しだろう。しかも全然締めの時間でもないし。

だから毎回、小気味よくタンバリンを振り続けるだけだ。最近はタンバリンを腰骨に当てつつ、腰をフリフリして叩くという技まで憶えてしまった。

まだまだ10代前半だったときには「飲みすぎたのは貴方の精子♪」と替え歌で「キャー、エッチィ」なんて、ションベン臭い声援を無償でいただけたが、30過ぎてそんな歌を歌った日には、たとえスーパーサラリーマンといえども、何処の僻地に飛ばされるか分かったもんではないものだし、かといってミスター・タンバリンの名称もさほど魅力がない。

歌う曲もこれから仕入れるので、修行の道である。

JunoReactorの「貴方は太陽~」というゴアトランス界のアンセムな「サムライ」があれば喜んで歌うつもりでいるパーティピープルの心掛けとは裏腹に、残念なことに大御所トランスの歌モノは今世紀中に配信される気配もなく、なにしろ今世紀は始まったばかり。そういうわけでいよいよもってカラオケソングなんてものを磨かざるをえない。

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投稿者 ko : 2008年11月11日 21:21 | トラックバック(0)
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