2008年11月04日

寄り道とSW

狂乱麗踊(きょーらんれいぶ)な連休といっても、騒ぎを起こしていたのはもっぱら肝臓方面で、ぶっ続けで酒を呑んでいた。

2日目の土着系ヒッピーが集ったお祭りは、まるで数年前までは当たり前だった3日間連続の<まつり>を期待させるような規模と、やっぱり独特のユルさが心地よくて、やはりこの日も呑み明かしていた。いくらなんでも3日目は肝臓を労わらないとくたばっちゃうような気がしたので、山梨のワイナリーが大集合!という触れ込みのイベントは涙ながらにキャンセルして、まったりと自宅で過ごした。

大掃除をし、肌寒くなってきたから絨毯を敷いて園芸の手入れをしたら、どっぷりと日が暮れてる。それじゃあ、まあと、朝の誓いを脳の奥底に押しやり、着の身着のままで近所の蕎麦屋の暖簾をくぐって、天ぷらと日本酒一合(ん?)とせいろをいただいた。モブログにある写真である。

今年の山梨のワイナリーの新酒は試せなかったからではないけれど、ゆっくり過ごしている夜にはアクション映画よりも単館上映しているような、小粒の珠玉というストーリーに身を任せたくなるので、書庫から「サイドウェイ」を取り出してデッキにセットした。

離婚から立ち直れない英語教師のマイルスは、小説家希望だけれども出版社は何処も連絡がなし。彼の学生時代からの親友ジャックは俳優業を営みつつ婚約者と来週には結婚するという順調な人生。

結婚を1週間後に控えたジャックと、ワインおたくのマイルスがカルフォルニアへ旅に出かける。そして二人はマヤとステファニーという女性と出会う。切なくユーモアで、でも温かくて忘れられない1週間。

「人生の寄り道」をしたくなる映画である。マイルスをポール・ジアマッティが演じている時点でおそらくは食指が動く特定の範囲に位置する観客がいると思う(僕もその一人だ)。

映画の要素のひとつとして、彼らキャラクターの対比が描かれている。マイルスは、その人物の背景どおり、マイナス思考な人物として描かれ、婚約者が居るのにナンパがしたくてしょうがないジャックは本能むき出しの楽天家という人物で描かれている。マイルスは自分以上にワインに詳しく鋭い舌を持つマヤに恋焦がれるが、失恋の痛手から立ち直っていないので、なかなか勇気が沸かない。

ある晩、ジャックがふさぎ込むマイルスに「Do not drink too much. Do you hear me? I don't want you passing out or going to the dark side. No going to the dark side!(飲み過ぎてダークサイドに行くなよ)」と釘をさすシーンがあったので、ちょっと新鮮だった。

ダークサイドといえばSWシリーズ以外は思いつかないので、こんな言い回しでも活用できるんだなぁと感心した。知り合いのイギリス人に尋ねてみると「物語の設定でジャックが映画俳優ということもあるけれど、いいんじゃないかな」とのことである。ふむふむ。「No going to the dark side!」、何かと使えそうな科白である。

how every time I open a bottle it's going to taste different than if I had opened it on any other day.今日開けたボトルの味は、今日だけの味で、他のどの日に開けた味とも違うでしょう。

というマヤの科白に酔って、さて、今宵も乾杯。

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投稿者 ko : 2008年11月04日 21:21 | トラックバック(0)
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