2008年12月07日

男の友情

男の友情は不思議なもので、年月を積み重ねれば重ねるほど、かえって照れくささが募ったりするものである。

言葉を交わさなくても、お互いがどれだけ相手のことを信頼し、また想っているかが解るから、ついつい口を閉じたままで盃を酌み交わし、別れ際にボソッと聞こえるんだか聞こえないんだか小さい声でお茶を濁したりする。ありがとう、ごめんね、そんな簡単な言葉こそ言えない。

指を折ってみると十数年ばかりの付き合いになる学生時代の親友も、そんな友情関係にある一人だ。

大切な旅の仲間である彼とは、初夏の季節になるとテントを担いで伊豆七島を巡る。釣りをして魚が釣れれば、文字通りそれを肴にして夜の帳を過ごすけれども、テクニックより運に任せている我々の釣果は、いつだって気まぐれである。

釣れない夜も枯れ木に灯りを灯してコッフルに島焼酎を手酌で注いで、これまでに訪れた国々の話をする。

そしてこういう夜は、不器用な男が作る簡単でラフな野外料理が旨いのである。バックパックには常時マヨネーズと携帯用のソルト&ペッパー、十徳ナイフとさばの缶詰が詰めてある。

これこそがテントの夜のつまみなのだ。さばの缶詰を切って水分を飛ばしてソルト&ペッパーをまぶし、マヨネーズを少々。

夜風に吹かれながら箸で突付く。そうやって夜が更けてゆく。

さて先日、その友人が実家から珍しく電話を架けてきた。一人暮らしをしてからだいぶ経つのだから何かがあったのだろう。

耳を澄まして彼の言葉を待つと「妹に子供が生まれたよ」と、なんだかしみじみした声で伝えてきた。おめでとう、と言いかけて言葉を飲んだ。なんかちゃんと面と向かって彼の肩を叩いて言ってやりたくなったのだ。すぐに電車を乗り継ぎ彼の自宅のチャイムを鳴らすと、親友が招いてくれた。僕の手には缶ビール。彼の手には何故かさばの缶詰。僕は思わず笑った。おめでとう、俺も嬉しいよ。がっしりと握手して気持ちを伝えると嬉しそうに彼が涙を拭った。「ありがとう。俺もおじさんになっちゃったよ」

そうだね、あれから幾分か我々も大人になったみたいだ。いつのまにか健康にだって気を使う。

AJINOMOTOピュアセレクト「サラリア」。コレステロールをさげるマヨネーズ。

来年の島のお供に。

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投稿者 ko : 2008年12月07日 21:21 | トラックバック(0)
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