2008年12月29日

師走のご挨拶

娘:
「い、いやっ。なんでこんなことするの?寄らないで。触られたくないっ」
越後屋:
「ぐへへ。まったくバカな娘だ。恨むんなら手前の親父を恨むんだな。絹屋の娘よ」
お代官様:
「まったくもってお前の下衆さには誰もかなわんな。越後屋、お主も悪よのお」
越後屋:
「いえいえ、お代官様ほどでは。どれどれ、こりゃ絹のように真っ白な肌じゃわい。娘よ、ちこう寄れ」
娘:
「いやーっ。おっ父っ~。助けてぇぇ」
越後屋:
「うーん、やっぱなんだか迫力に欠けるなぁ。せっかく時代劇コスプレということで衣擦れの音を再現しようとしたのに、なんかパッとしないんだよな」
お代官様:
「そうなんだよなぁ。ちこう寄れなんて科白は一番の萌え萌えなのに、なんだか白けるんだよね」
娘:
「あのさ、もしかしてなんだけど、このシナリオって言ってみたら勧善懲悪じゃん。善人がいるからこそ悪人も目立つみたいな。もしかして正義の味方が登場しないとスッキリしないんじゃない?」
越後屋:
「正義の味方ってものなぁ。誰か心当たりある?俺なんかこないだ幼馴染に、ちょっと時代劇のコスプレしないって言ってみたら絶縁しかけたぜ」
お代官様:
「たしかに。なぜか学園モノだったら保健室のシーンやりたいって言うくせに時代劇は誰も来ないんだよな。やれば面白いのに」
三人:
「う~ん・・・」
娘:
「じゃあさ、私の彼氏呼んでみる?こないだ家で練習したときに案外ノリノリだったし、すぐに呼べば来てくれるよ」
二人:
「マ、マジで。呼んでみてよ」


     *     *     *

娘:
「い、いやっ。なんでこんなことするの?寄らないで。触られたくないっ」
越後屋:
「ぐへへ。まったくバカな娘だ。恨むんなら手前の親父を恨むんだな。絹屋の娘よ。お前はたった三両で売られちまったのさ」
お代官様:
「まったくもってお前の下衆さには誰もかなわんな。越後屋、お主も悪よのお」
越後屋:
「いえいえ、お代官様ほどでは。どれどれ、こりゃ絹のように真っ白な肌じゃわい。儂も十ほど若返っちまうわい。ほれほれ、娘よ、ちこう寄れ」
娘:
「いやーっ。おっ父っ~。助けてぇぇ」
将軍:
「待て待て待てぇい。貴様達の悪事も今宵限りだ。」
越後屋:
「むっ、何奴。何処から忍び込みやがった。怪しい奴め。天狗のお面なんぞ被りやがって」
お代官様:
「ここを誰の屋敷と心得ておる。天下の大将軍のお膝元と知っての狼藉か。者ども何をしておるっ。出合え出会え!」
将軍:
「娘よ。もう安心だ。おっ父も無事だ。」
娘:
「あ、貴方様は」
越後屋:
「お、お前はあの時の浪人!?」
将軍:
「そうだ覚えているか。汚い連中め。私が居る限り、この世に悪は栄えない。人呼んで暴れん坊将軍。今日もどこかで泣いている、イテっイテテ。ごめんちょっと待った。正座しすぎて足が痺れた。立てなくなっちたよ」
娘:
「もうっ。一番大事なクライマックスに・・。これからが盛り上がるのに。ほんとここぞという時に駄目なんだからぁ。なんで昼も夜も勃てないのよ」

ゴォオーーン。

良いお年を。

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投稿者 ko : 2008年12月29日 21:21 | トラックバック(0)
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