過日、某ファッションイベントで、ワールドプレビューし、世界を圧巻した「セカイカメラ」の熱気にようやく馴染んできたのでレビュー。
頓智・(とんちどっと)が開発したiPhoneのカメラを使った拡張現実だ。:
記事:
「世界をクリッカブルにするオープンプラットフォーム──「セカイカメラ」」
iPhoneのカメラは、その性質上、写真を撮影する機能が重視されていて、いわゆる<モニター>的な映像出力としての位置づけはそれほどではない。
「セカイカメラ」はエアタグと呼ばれる仮想世界における付箋のようなものを、現実世界の位置情報にマッチングさせて、iPhoneのカメラプレビューを通じて表示するというものだ。
仮想と現実が完全にクロスする。
つまりどういうことかというと、貴方が渋谷で誰かと待ち合わせをする、とする。渋谷のハチ公あたりでもいい。貴方はハチ公の位置情報にエアタグをくっつける。
「ここにいるよん」とかね。
そうすると待ち合わせの相手先がJR渋谷駅からひょいと降りて、ハチ公に向かい、iPhoneの「セカイカメラ」をかざせば、眼前のハチ公前の風景がカメラを通じてプレビューされると同時にエアタグをも映し出すというものだ。革命である。
ただ、そうすると世界はエアタグだらけで埋め尽くされていく。そこで頓智・(とんちどっと)は特定の条件にのみマッチングしたタグを表示するエアフィルタの実装も予定している。友達のエアタグ、ビジネス上のエアタグ、カフェ情報のエアタグ、昨日のエアタグなど時間軸をも条件に加えたフィルタリングを搭載である。
たとえば、こんなエアタグもできるかもしれない。
野外のパーティに行くと、タイムテーブルなんてのはどこにあるんだかよくわからないし、いろんな言い訳を隔てて、誰が回しているのかサッパリ意味不明なんてことがよくある。
そんなときに、「セカイカメラ」でブースをかざす。
オーガナイザによってブースにエアタグが附けられていれば、iPhoneのプレビューからブースの風景と共にタイムテーブルが表示されたりする。
また、こんなこともしょっちゅうあるんだけど、自分がテントをどこに建てたんだかサッパリわかりませんなんてのもある。そんなときに自分のテントの位置情報に自分の属性情報を含めたエアタグをくっつけておけば「セカイカメラ」でテントにたどり着けたりする。
人間自身が感知する視界以外にも情報が埋め込まれる。
世界は幾十にも階層化され深化していく。
そんな未来はすぐそこまでやってきている。