JR山手線高田馬場駅の早稲田口を降りると、そこはガード下。信号を渡り左方向にずっと5分ばかり歩く。うっかりすれば見落としても不思議じゃないくらいに気配の少ない看板がある。「おかしら」だ。
気配が少ない、というのは誇張表現でもなんでもない。この「おかしら」は、ごくごく普通のビルの地下1階にある焼きとんの店なのである。
土地柄、学生が多くて毎日が文化祭のごとく賑わいのある外の世界とは趣が異質な店内。まるで遠い旅先で出会ったような居酒屋。シンとしているが肩肘を張るような雰囲気でもない。じつに店内全体が落ち着いているのだ。夫婦で営んでいる気持ちのいい店。静かな談笑がとても似合う。炭がパチパチと音を立てて、ご主人さんが手際よく串をクルリと返す。
カウンターがコの字で20人も入れそうもない店には香ばしい串の香りが漂う。
串は100円。はつはじ、たんもとなど珍しい焼きものもある。ほんのり焼いたレバが秀逸。半生のレバにはタレが合う。
レバやハツなど刺身が最高。
もし、いいイカが仕入れられたら、日替わりにメニューに載っているので、イカわたとゲソのホイル焼を頼んで欲しい。ほろ苦いイカワタを箸の先で突付く。こんな肴には、芋のお湯割りで。のうみそ、なんて一風変わったメニューもある。
「おかしら」
新宿区高田馬場3丁目12-5
18:00~24:00
串 --\100
つまみは日替わりで黒板に。
焼酎 --\480