2009年06月17日

散歩の達人

記事の性質が関東圏─しかもとりわけ都内近隣─に絞られているので、きっと首都圏でしか売られていないだろう雑誌に「散歩の達人」がある。

なかなか見応えのある、つまりは雑誌文化の縮小が騒がれる昨今に頑張っている一冊であって、立ち読みじゃ済まされない訴求力があるコンテンツが目白押しだ。その名の通り、ぶらりとあてもなく散歩をするのに寄ってみたいお店や路地が特集されている。

職人技がきらりと光る焼き鳥屋さん、ホッピーの旨いあの店、富士が一望できる銭湯など心が和む。

先月号になるので、新宿のジュンク堂に在庫があれば取り置きできろうだろうけれど、もう入手できなかったら申し訳ない。特集が「東京とっておき散歩地図」だった。東京の選りすぐりの十二の街が特集されていて、そのうちの一つがいま住む街だった。

記事にあるように昭和の風景がなお色濃く残る商店街は貴重で、どうしてもこれからのご時世として、時代に渦波に飲まれるだろう無形文化財に近い存在だ。

恐らくは十数年先には違う形でしか商店街は残っていないと、推察するのは僕に限らず容易い。それだからこそ、その憧憬の牧歌的な商店街に現在進行形で身を置くのは、世界遺産には程遠いほど、時間の経過と共に風化するという意味合いでは実に等しく、喜ばしいものである。

blank_space
投稿者 ko : 2009年06月17日 22:22 | トラックバック(0)
コメント
blank_space
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?






blank_space
Trackback
blank_space
Powered by
blank_space