ノーマンズ・ランド【2002年 フランス/イタリア/ベルギー/イギリス/スロヴェニア】
監督:
ダニス・タノヴィッチ(Danis Tanovic)
キャスト:
チキ --ブランコ・ジュリッチ(Branko Djuric)
ニノ --レネ・ビトラヤツ(Rene Bitorajac)
ツェラ --フイリプ・ショヴァゴヴイツチ(Filip Sovagovic)
ソフト大佐 --サイモン・キャロウ(Simon Callow)
マルシャン軍曹 --ジョルジュ・シアティディス(Georges Siatidis)
2002年のゴールデングローブ賞、アカデミー賞の外国語映画賞をダブル受賞したボスニア戦争をシニカルな視点で描いた戦争映画。ボスニア側とセルビア側が均衡する中間地点のノーマンズランドと呼ばれる塹壕。そこに取り残されたボスニア兵士のチキは、セルビア側から斥候を命じられた新米のセルビア兵士ニノとばったりと出くわす。一触即発の状態のところに死んだと思っていたチキの友人ツェラがなんと息を吹き返すではないか。
しかしニノは立ち上がるんじゃないとツェラを制する。ツェラが倒れてる背中にはニノと斥候に同行した老兵士が仕掛けた地雷が仕掛けてあったのだ。
チキは老兵士を撃って殺してしまった。彼らの行く末は?国連軍は彼らの仲裁に割って入れるのか。
じつにヨーロッパ映画らしい、シニカルなジョークに満ちた映画である。戦争映画というものの「プラトーン」のような戦闘シーンは少なく、キャラクターの科白回しが中心のコメディに近い映画だ。それでもたっぷりの皮肉を感じざるを得ないのは、そのテーマの重さにあるのだろう。紛争に介入できない国連軍のジレンマ。同国同士の民族なのに殺しあう彼らは、こういった表現は不適切だろうが、ある意味で滑稽なのだ。国連軍が醸し出す大人の事情とマスコミの嗅覚、その狭間に立たされる現場の人間。必見である。
※DVDは絶版。2009年08月現在、数年前に比べて市場に中古が出始めたので買いやすいかも。