ビジネスパーソンだなんていう、ポリティカルコレクトな呼び方よりも、ずばり、サラリーマンって響きがいつだってフィットするのが新橋である。雨後の筍の如くに新橋には立ち食い蕎麦の店があるけれども、これぞ!という店は少なかったりする。そのなかで、ここはいいんじゃないかと突出しているのが、この「おくとね」だ。
迷宮のような、まるで時代から取り残された遺物を想起させる新橋第一ビルの地下にある。
舞茸そば(450円)。
群馬県の奥利根から運ばれた舞茸を惜しみなく使っているのが、この舞茸そばである。お店の名前は奥利根を平仮名にしたという。その舞茸をひとつひとつ丁寧に手でほぐし天ぷらにしている。出汁は土佐鰹で取る。蕎麦は引きぐるみがある。均一に刻まれた青々しい葱。これが果たして立ち食いそばと呼んでいいのだろうか。
たっぷりの舞茸天から森の香りがほんわかと舞い上がる。そして土佐鰹の芳醇な出汁。ずずっと何のためらいもなく啜る。感無量。これぞ新橋のグルメ。
おくとね
港区新橋2-20-15新橋駅前ビル1号館B1F
7:00~20:00
定休日、土日祝日
まいたけ天そば --\450