新宿御苑と新宿三丁目の真ん中あたりのサンフランシスコレインボー的な趣味の方々の聖地、新宿二丁目近くにあるタイ屋台レストラン。
赤青黄色の原色のネオンがチカチカしていてタイの国旗と国王の写真が並んでいるカウンターからは日夜タイポップスが鳴り響いている。
テーブルは、バンコックだったらカオサンやヤワラーにありそうなテーブル席の雰囲気で、周りからは新宿で働いている在日タイ人の声が聞こえてくる。
新宿御苑の森が近いせいなのか、鬱蒼とした静けさに聞こえてくるタイポップスとパクチーやナンプラーの香りは、なんだか本当にランブトリーSt.に迷い込んだんじゃないかしらと錯覚するぐらいだ。ダミ声のゲイ男性の会話もご愛嬌。
レストランと言うよりは一杯引っ掛ける程度の店ではあるが、味もそこそこである。
イサーン(タイ東北部)地方出身のコックが作るソムタムには、たしかに敵わないかもしれない。でもね、ここのソムタムだってなかなかだよ。
青パパイヤとピーナッツや干し海老ですりつぶした辛いような酸っぱいようなこの料理はもはや定番。ソムタムにはカオニャオ(もち米)を付けて手で食べよう。
トート・マンプラーが手作りで美味しい。
トートはタイ語で〝揚げる〟、マンは〝芋〟、プラーは〝魚〟、つまりさつま揚げだ。手作りのさつま揚げで、ホクホクしていて魚のすり身が新鮮、下味がしっかりとつけられて絶妙の塩加減なので、暑い夏のビールと是非。
タイの生春巻き。ポピア ソット。
ボビアは〝春巻き〟だっけな(うろ覚え)、ソットは〝火が通ってない〟って意味。
生春巻きはベトナムが有名で、やはりあちらが本場。タイの生春巻きは手元にあるチリソースをたっぷりつけて食べよう。甘辛いチリがとってもヤムヤム。
こちらは野菜炒め。パッパック ルワム。
パッは〝炒める〟、パックは〝野菜〟、ルワムは〝混ぜる〟とか〝ごっちゃにする〟という意味。たくさん種類の野菜炒め。ナンプラーを垂らして、カオニャオを野菜炒めのスープに付けて食べる。野菜のシャキっとした歯ごたえが最高。いかにも東南アジアの味付けで、濃い目。決して辛くはないし、香辛料がきついわけでもない。しょっぱがらい味付けがナイス。
締めは、雑炊。カオトム ムア。
カオは〝米〟、トムが〝ゆでる、煮る〟、ムアは〝豚肉〟。豚肉入りのお粥。もっとトロトロに煮込んだ雑炊(いわゆるお粥)はタイ語でジョークという。
ここのレストランではカオトムクンがメニューにしかなかったけど、海老入り雑炊なんて食べれたものじゃないから(アレルギー出るし)、豚肉をチョイス。
パクチーがたっぷり入っていて、卵が落としてある雑炊に豚肉のつみれがたっぷり。もう最高である。
ナンプラーを少し垂らして、ズズっと口に運ぶ。
生姜や香菜がふくよかな香りをつけて鼻腔をくすぐるし、ダシの取れているスープなんて、もう、嗚呼。
この独特の雑炊は世界一なんじゃないだろうか。日本の雑炊より大好きである。
塩加減だって抜群で奥深い旨さだし、時にはにんにくチップが入っていて食欲を増進するし、タイ米は雑炊にぴったりでもたれないし、豚肉のつみれは臭みが全然なく、味が染み込んでいるんだもの。
個人的に日本のタイレストランで見かけることの無いカオトムなだけに一口匙ですすっただけで、もうタイの景色がフラッシュバック。
ちなみにトムヤムクンはトムが〝ゆでる〟、ヤムが〝酸っぱい〟、クンが〝海老〟だから海老のすっぱ辛いスープって意味。タイだとトムヤムは別に海老に限った料理ではなくて、鶏でもイカでもトムヤムにするのが普通。料理の終盤に差し掛かると、「これ、トムヤムにして」とテーブルにある余った食べ物をスープにする。
海老が嫌いな人は「マイサイクン」(海老抜き)と言おう。どこでも通じる。
リムタァーン
新宿区新宿3丁目1-32 新宿ビル3号館1階
17:00~翌2:00
木曜定休
生春巻 --\800
ソムタム --\850
軟骨唐揚 --\850
タイさつま揚げ --\850
野菜炒め --\800
シンハビア --\600
チャンビア --\600
を!タイ料理!
食べてみたいけどどうなんだろうな?
ハタチくらいのときに、初めてトムヤムクン(ってタイ?)を食べて、吐きそうになった。こんな私は食べられないだろうか?
ひょっ!トムヤムクン、タイだよ。海老が入っているので料理じゃないけど。けっこう中華料理に近いかんじなので、イケるんじゃないかな。暑いときにビールぐびぐび呑みつつ食べたいね。